ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ(89年生まれ)一児の父。好きなものは読書、映画鑑賞、息子ハルタとじゃれ合うこと。

今を今のものとして無目的に消費する時間をできるだけ増やしたいという新年のささやかな抱負の話

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年明けバスケをしたが、15人も集まったのには驚きであった。

 

昨年の12月初め頃、高校時代のバスケットボール部で同じ学年であった仲間のグループLINEの中で「年初めにバスケがしたい」という話題になったので、参加者を募って、体育館を確保し、年明けにバスケをした。

 

高校のバスケ部の同学年の仲間は全員で21人いた。15人というと約4分の3の仲間が集まったことになる。高校卒業後の10年間、たびたび集まる機会があったが、これほどの参加率はおそらく初めてではないかと思われた。

 

年明けバスケは紅白戦を中心に行った。自分の頭の中でのプレーのイメージに、体力と身体能力が全く追いつかず、衰えを痛感した。こりゃあと10年経ったら何もできないな。

 

友人が「バスケは3Dだから疲れる」とつぶやいたが、なるほどと思った。笛が鳴るまで縦横無尽に走り回り、ときには全力でジャンプする。

 

まあ、かなり疲れたし、最後のほうは皆グダグダになっていたのであるが、やっぱり楽しかった。

 

高校のときみたいに、プレーの技術をあげたいとか、試合に勝ち進みたいとか思ってプレーをしているわけではない。今この一瞬を、無目的に、気の置けない仲間とバスケを通して共有しているという感覚を楽しむことができた。

 

こういう時間って大切だよなと改めて思ったのである。

 

 

 

バスケットを久しぶりにして、近頃、「時間は目的意識を持って効率的に使い、一つひとつのタスクをなるべく時間をかけずに片付けなくてはならない」という強迫観念に自分が駆られていることに気づいた。

 

目的意識のない時間が、だらだらと過ぎていくことに不安を感じる。そういえば、時計が気になって仕方がない。お正月休みも、ただだらだらと過ごしていることに落ち着かなくなり、なんか仕事とかしちゃったのである。

 

仕事だけならいいが、このような強迫観念は趣味の領域にも及んでいる。たとえば、映画のDVDを倍速で見てみたり、本を探す時間や読む時間を無駄にしないために本屋に行く前に書評を必死に読み漁ってみたり、数分時間が空くとすかさず誰かのブログを覗いてみたり、やってみたいことを諦めてみたり。

 

こういう時間の使い方って、今を今として楽しめていない気がするし、なにか大事なものを失っている気がする。もちろん、目的意識を持って時間を効率的に使うことはかなり大切なことなんだけど、それと同じくらい、今を今として無目的に消費する時間があることも大切ではないかと思う。

 

この前の年明けバスケには、時計を気にせず、今を今として自然に楽しんでいる感覚があったのである。

 

 

 

いちいち目的を持って効率的に時間を消費するという意識が習慣化されたのは、やっぱり仕事を第一優先にしていることで、自分と自分の家族との時間が圧迫されていることに原因がある。もっとやりたいことにじっくり時間をかけたいし、時間に対してもう少し意識低い系でありたい。

 

子どものときは、(当たり前だけど)先々のことや時計も気にせず、今を今として大いに楽しんでいた。大人になるためには一見無駄に思われるような時間を過ごしたことの方が、案外今の自分の血肉となっている。

 

今をしっかりと楽しむ術を忘れてしまったままで、仕事をリタイアし、どうやってぽかりと空いた時間を埋めていいか分からない、先々のない老人になってしまったらと思うと怖い。

 

先日、『不安な個人、立ちすくむ国家』を読んだ。

 

昨年5月に経産省の若手プロジェクトが発表したレポートを書籍化したものである。このレポートでは、変化する社会状況や、その中で増幅される個人の不安を指摘と、変わりつつある価値観に基づいた新しい政策の方向性の提示がまとめられている。

 

不安な個人、立ちすくむ国家

不安な個人、立ちすくむ国家

 

 

 

このレポートの中に、高齢者の老後について、「定年退職を境に、日がなテレビを見て過ごしている」というデータがある。……そういう老後は嫌だなあ。(テレビめっちゃ好きな人はいいかもしれないけど)

 

書籍版には、経産省若手プロジェクトと養老孟司の対談が収録されている。そこにある養老孟司のお話が印象的。

 

高齢者がーーそれこそ90代でホスピスに入ってる爺さんが「死にたくない!」と毎日わめいていたりする。90歳過ぎて「まだ死にたくない」ということは、やりたいことをやれずに来て、後悔しているということでしょ?「あんた、今まで何してたんだよ?」とも言いたくなりますよ。早く大人になってしまい、やりたいことを後回し後回しにしていくと、人生を生きそびれてしまいますよ、ということは言っておきたいですね。

 

大人になんかなりたくない!

 

 

 

この前のバスケは、楽しむために計画したんだから、楽しめて当たり前かな。

 

もしかしたら楽しめないかもと思っても、時間を無駄にしてしまうことを恐れず、今を今のものとして無目的に消費する時間を果敢に増やしたい。そうすれば、いずれはどんな時間でもニヤニヤと楽しめる人間になれるかも。

 

というのが僕の新年の抱負です。今年もよろしくお願いします。