ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

【息子1歳の誕生日】東京ディズニーランドと自撮りしまくる女子たちの話

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朝の首都高は渋滞していた。

 

僕たち家族の目的地は東京ディズニーランドだ。この日は、一人息子のハルタの1歳の誕生日であり、その誕生日をお祝いするためのディズニーなのである。

 

しかし、車は渋滞で遅々として進まない。やっとディズニーランド近くにある高速の出口が見え始めた頃、運転席に座る僕に我慢の限界が近づいてきた。

 

……おしっこがしたい!!

 

出口は目前だが、車は詰まっていて、ノロノロと進んでは止まるというのを繰り返している。妻は僕が尿意に苦しむのをなぜか喜んでいて、「ハルタと同じように、オムツを穿いてくればよかったのに」なぞとくだらないことを言っていた。

 

出口に続く道は、東京都と千葉県の境界にある旧江戸川の上である。川面は春の日差しによって、きらきらと輝いていた。

 

僕は額をハンドルにつけ、「車から降りて、川に放尿してえ」と言った。妻は冗談だと思ってケラケラと笑っていたが、僕は本気でそうしようかと迷った。

 

川への放尿の夢想より約5分、やっと高速から降りることができ、ディズニーランドの敷地の前にあるガソリンスタンドに突入した。

 

妻は「いえ、レギュラー満タンではありません。膀胱が満タンです」とギャグを言っていたが、僕はMM5(マジで漏れる5秒前)であったので無視し、車から降り、スタンドのトイレに駆け込んだのである。

 

 

 

ハルタが誕生日ということで、チケット売り場で、誕生日シールをもらった。そのシールには「ハルタくん」と書かれていて、それをベビーカーに貼って入園すると、早速キャストさんに「ハルタくんお誕生日おめでとう」と言われた。ありがとうございます。

 

僕にとってはかなり久しぶりの東京ディズニーランドである。ものすごい人ごみに驚いた。

 

僕たち家族3人はまず、記念写真を撮影するために、シンデレラ城に向かった。

 

「なんじゃこりゃ」

 

シンデレラ城の前の広場には、双子コーデをした女の子や学校の制服姿の女の子たちが溢れんばかりにいた。学校は春休みなのであろう。彼女たちは、シンデレラ城を背景とした自撮りに熱心に励んでいた。

 

僕はその中の一組の双子コーデの女の子に、「写真を撮ってくれませんか?」と撮影をお願いした。すると、右の子が「いいですよ〜」と快く引き受けてくれた。

 

僕は撮影用に自分のスマホを彼女に手渡した。シンデレラ城を背景に並ぶ僕たち家族。

 

スマホを持った子は不意にしゃがみ、撮影する体勢をとった。なるほど、ローアングルからあおりで撮ることによって、城全体が写る。撮影役ではない左の子は、ハルタに向かって、「こっち向いて〜」と言って、手を振って、ハルタの注意を正面に向けた。

 

こやつら撮影慣れしておる。実際、撮っていただいた写真は上手に撮れていた。

 

双子コーデの女の子たちにお礼を言うと、すかさず制服姿の女の子2人組が寄ってきて、妻に「私たちを撮ってくれませんか」とお願いした。

 

女の子たちは写真の構図にかなりこだわりがあるらしく、妻に「この位置で、この角度から撮ってください」と細かく注文していた。

 

 

 

1歳の赤ちゃんが乗れるアトラクションは限られている。僕たちはファンタジーランドにある「アリスのティーパーティー」に並んだ。

 

僕たちの前にいた制服を着た女の子4人組は、列に並んでいる間中、ポーズを変え変え、ずーっと自撮りを繰り返していた。

 

どんだけ自分たちを写真で記録することが好きなんだよ。もっと並んでいる間のたわいもない会話を楽しみなさい。と僕はハルタをビデオカメラで撮影しつつ思った。

 

そうか。彼女たちにとって遊園地に来ることは、レジャーの目的の一部に過ぎない。

 

彼女たちのレジャーは、その場所で撮ったリア充感のある写真をSNSにアップし、仲間と共有したり、他者に「いいね」をもらってプチ承認を得たりすることで、完成するのである。

 

僕は今年で29歳になる。そういえば最近Facebookなどの実名性の高いSNSを覗くと、何年か前より、自分が写る写真や旅行先の風景の写真などをあげる同年代の友達がめっきり減ってしまった。

 

アップした写真について他者からネガティヴな思いを持たれることについて恐れているのであろうか。それもあるかもしれないが、それだけではないだろう。

 

彼らは大人になった。仕事に熱中したり、社会的な関係をどんどん構築していたりする人も多い。子どもが生まれ、「愛」という相互承認を得ている人もいる。そもそも毎日が忙しく、SNSで遊んでいる暇もない人もいるだろう。

 

彼らは現実で充足している。つまり、SNSを必要としない「本物のリア充」になってしまったのである。

 

 

 

僕も大人になったので、「いいね」による承認など求めていません。

 

 

有り体に申しますと、ブックマークによる承認が欲しいのです。よろしくお願いします。