横浜アンパンマンミュージアムに行った話
1
1歳9ヶ月の息子、ハルタが『それいけ!アンパンマン』に狂った。
街中に出ると『アンパンマン』のキャラクターを見つければ興奮して指差し、スーパーのお菓子売り場なんかを連れていると、いつの間にか『アンパンマン』のお菓子を手に持っている事がある。家では、『アンパンマン』のDVDを見せてくれとずっとせがんでくる。家にある『アンパンマン』のDVDは数枚しかなく、ハルタは飽きずに何十回もそれを見ていた。何十回もアンパンマンは窮地に陥り、何十回もジャムおじさんはアンパンをこね、何十回もバタ子さんは「新しい顔よ!」と叫び、何十回もバイキンマンはアンパンチを食らった。僕たち夫婦は『アンパンマン』のエンドレスリピートに気が変になりそうになっている。
ハルタのおもちゃも絵本も大半は『アンパンマン』になってしまった。そして、ハルタは寝言でも『アンパンマン』のキャラクターの名前を呼ぶのであった。ハルタを喜ばせるために、ハルタにアンパンマンを触れさせていたのだが、僕と妻はアンパンマン漬けの生活が少々しんどくなってきている。
しかしながら、反面、子供が生まれるまで何の興味関心もなかった『アンパンマン』に若干親しみが芽生えてきているのも事実であった。
2
平日に休みを取り、家族3人で「横浜アンパンマンミュージアム」に行った。
ハルタを楽しませたかった。しかし、ハルタはミュージアムの敷地に入ったのに全然笑わない。……彼は絶句していた。『アンパンマン』のキャラクターが周囲のいたるところにあることにより、興奮を通り越して訳が分からなくなっている様子であった。
ミュージアムに到着したのはお昼頃であったので、最初に「ジャムおじさんのパン工場」に寄った。アンパンマンファミリーが皆パンになっている。まじできゃわいい。食べるのが勿体無い。
パンをちぎってハルタに渡したが、なぜかほとんど口にしようとしない。いつもご飯をバクバクと食べるのに。食事中、周囲をきょろきょろと見て、とにかく落ち着きがなかった。
その後、ショーに出演していたアンパンマンたちに近づけさせたりしてみたが、やっぱり笑顔を見せなかった。いつもテレビサイズでキャラクターを見ていたので、自分より遥かにでかいキャラクターを前にして驚いてしまったのかもしれない。
3
ミュージアムの入館料は、1歳以上1500円。
しばらくミュージアム内を見学していると、やっと慣れてきたのか、ハルタの笑顔が少しずつ見られるようになってきた。
キッズルームではアンパンマンの人形劇が行われていて、それを楽しく鑑賞した。ハルタは最後に流れた「勇気りんりん」に合わせて一生懸命に踊っていたのである。
アンパンマンミュージアム……1歳9ヶ月くらいのお子さんでも充分楽しめます。意外と大人の僕も楽しんでしまった。やなせたかし先生の絵も、所々に飾ってあり、そういうのにも感動したのでした。
4
最後にアンパンマングッズが売ってるショップを見て回った。
「森の本屋さん」ではアンパンマンの絵本がたくさん売っていた。店で一番人気のミニ・ブックスの絵本である『アンパンマンとカレーパンマン・おむすびまん』を買った。
襲ってきたオオカミを、カレーパンマンは必殺技で攻撃する。
必殺技を使った後のカレーパンマンはしわくちゃになってしまう。
しわくちゃになったカレーパンマンはバタ子さんにカレーを補充してもらうのであった。めでたし、めでたし。
「ふわふわぬいぐるみやさん」では、ハルタにバイキンマンのぬいぐるみを買ってあげた。バイキンマンはハルタが最も好きなキャラクターである。
ハルタはとにかくこのぬいぐるみが気に入ったようで、家に帰るまで手放そうとはしなかった。「バイチン……♡」とか言って、ぬいぐるみに口づけしたりしている。アンパンマンミュージアムから帰ってきてから毎夜、バイキンマンを自分の布団中に入れて一緒に寝ているのであった。
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なかなか息子と遊んであげられる時間がないので、アンパンマンミュージアムがいい思い出になったようでよかった。また行こうね。