妻とのディナーの話
1
先日第2子が産まれ、母子は現在入院中。僕が仕事の間、福井にある妻の実家から来てもらった義母が1歳の長男・ハルタの面倒を見ている。僕はなるべく早く仕事を切り上げ産院に行き、妻と生後間もない次男の顔を見る。そして、家に帰り、ハルタを風呂に入れ、寝かしつけるのである。
ハルタが寝てしまうと暇である。いつもハルタが寝た後は妻とおしゃべりしてるからなあ。さびしい。僕はパソコンを開け、久しぶりにAmazonで書籍のお買いものをすることにした。昨夜買ったのは、以下の3冊。
アナログの逆襲: 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる
- 作者: デイビッド・サックス,加藤万里子
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2018/12/10
- メディア: 単行本
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小説『パワー』のあらすじがとても魅力的である。早く読みたい。
ある日を境に、女たちが、手から強力な電流を発する力を得る。最年少かつ、最強の力を持つ14歳の少女ロクシーは母を殺された復讐を誓い、市長マーゴットは政界進出を狙い、里親に虐待されていたアリーは「声」に導かれ、修道院に潜伏する。そして、世界中で女性たちの反逆がはじまった―。 (「BOOK」データベースより)
妻がいないので、ベランダで、久しぶりににタバコを吸ってみた。それほどうまくない。
☆
吸いさしの煙草で北を指すときの北暗ければ望郷ならず (寺山修司)
2
妻は理科の教員である。彼女とは一時期職場が同じで、職員室での席が隣だった。付き合う前から、席が隣なので二人でよくさまざまなおしゃべりをしていた。僕はかなり理数科目が弱く、理科の知識を彼女に教えてもらったりもした。僕は彼女の授業に対する熱意をリスペクトしていた。
ある日彼女は大量の煮干しを職場に持ってきた。何に使うのかと思ったら、彼女はそれを生徒に授業で解体させ、臓器の一つ一つをテープでレポートに貼らせ、魚の体の仕組みをまとめさせていたのである。彼女は回収したレポートを評価しながら、「くせえ」とつぶやいていた。
このとき、僕は「面白い。この人と付き合おう」と決意したのである。恋愛に対して自身はかなり奥手であると自覚しているが、このときは自分でも驚くほど積極的にアプローチをした。
そしてなんとか交際に至った。交際間もなく、僕は彼女に「結婚したい」と言った。彼女はその言葉を冗談だと受け取っていたらしく、最初のころ、僕のその思いは適当にあしらわれてしまっていたのである。
3
今日の仕事帰りも妻のいる産院に寄った。明日妻と次男は退院する。この産院では、退院の前夜に祝い膳が出され、これは夫も食べることができる。次男を看護師に預け、妻と祝い膳を味わって食べた。久しぶりの二人きりでの食事である。
僕らは、赤ん坊のこと、妻の体調のこと、僕の仕事での出来事のこと、これからの家のことなどをしゃべった。彼女と話しているときがいちばん楽しいし、心休まる。「あと一年で育休が明けるから、仕事の準備もしなくちゃね」と僕は言った。大好きな仕事から一旦離脱させてしまって、妻には大変申し訳ないことをした。
ハルタを家に待たせているので、それほど長く妻と一緒にいるわけにはいかず、明日の退院の打ち合わせをすませ、僕は家に帰った。
☆
結婚して2年と少し経ったが、今でも妻のことがとても好きである。明日彼女が帰ってくるのが楽しみだなあ。