アンパンマンとの蜜月時代
1
地元で催されたアンパンマンショーにお出かけした。
アンパンマン、すごい人気である。小さい子供を連れた家族がたっくさんいた。僕は1歳の息子・ハルタを肩車。
可愛らしい女の子による鑑賞上のマナーのアナウンスの後、いよいよアンパンマンが登場した。他の子供たち同様、頭上でハルタは大興奮。アンパンマンを指差し、「パッパッ!」と連呼した(ハルタはアンパンマンのことを「パパ」と呼んでいる。そして僕のことはいまだに「パパ」と呼べない)。
ショーの後はアンパンマンファミリーによる握手会である。あっという間に握手会の前に行列ができた。なるほどアンパンマンは日本の子供界のトップアイドルであった。
2
子供ができて子供用品店によく行くようになって気づいたが、子供のキャラクター用品市場はアンパンマンが独占している。ミッキー、ハローキティ、ミッフィーなどは彼には遠く及ばない。
おもちゃはもちろん、様々な子供用品に彼の丸いお顔がある。幼児と暮らすということは、すなわちアンパンマンと密なお付き合いをしていくということであった。
自然、自宅にはアンパンマンの子供用品が増えていく。僕はそれほどアンパンマンに思い入れはない。家にキャラクター商品を増やすのであれば、ポケモングッズを増やしたい(ポケモン大好き)。
自分が幼い頃はこんなにもアンパンマンに囲まれていたっけ?
3
アニメは繰り返し見ていたんだと思う。それが証拠に、ハルタのおもちゃに描かれているアンパンマンのキャラクターの名前を結構言える。
チーズ!
カバオくん!
ホラーマン!
誰やこいつ?
調べてみると、名は「コキンちゃん」というらしい。ドキンちゃんの妹分で、10年前くらいに登場したキャラクターだそうだ。なかなかかわいい。
4
なんのために生まれて
なにをして生きるのか?
5
アンパンマンが大好きなハルタであるが、アンパンマンのアニメを初めて見たのはつい先日である。夫婦ともにアンパンマンがいつ放送しているのか知らなかったのである。
調べてみると、金曜日に放送していることがわかった。放送の日時にテレビのチャネンルを合わせると、「アンパンマンのマーチ」が流れた。
おもちゃで遊んでいたハルタはすぐにテレビの方に振り向いた。初めて見る動画のアンパンマンに大喜びして、テレビに駆け寄っていくのかと予想したが違った。
逆に後ずさりした。あまりに動画のアンパンマンが衝撃だったらしく、ハルタは放送が終わるまでの30分間、テレビから3メートルくらい離れたところから無表情で直立不動のまま『それいけ!アンパンマン』を鑑賞していたのであった。