ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

福井でカニをたらふく食べた話

 

昔から旅行のときには必ず本を携えることにしている。大抵移動中に読むのであるが、旅情と相まって、その読書体験は記憶に残りやすい。

 

先日の福井旅行に持って行ったのは、『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ)である。

 

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

 

 

しかし、連休であったので駅や新幹線や特急は激こみギュウギュウ丸であり、一歳の息子・ハルタは常に落ち着きがなく、移動中に読書する余裕などなかった。移動中、僕はハルタを膝の上に乗せるか、抱っこをしていた。もう体重は十キロを超えている。さすがに軽くはなくなってきた。

 

 そこでわれわれは何を選ぶべきであろうか? 重さか、あるいは、軽さか?

 この問題を提出したのは西暦前六世紀のパルメニデース(前五〇〇頃ー?ギリシアの哲学者)である。彼は全世界が二つの極に二分されていると見た。光ー闇、細かさー粗さ、暖かさー寒さ、存在ー非存在。この対立の一方の極はパルメデニースにとって肯定的なものであり(光、細かさ、暖かさ、存在)、一方は否定的なものである。このように肯定と否定の極へ分けることはわれわれには子供っぽいくらい容易に見える。ただ一つの場合を除いて。軽さと重さでは、どちらが肯定的なのであろうか? 

 パルメデニースは答えた。軽さが肯定的で、重さが否定的だと。

 正しいかどうか? それが問題だ。確かなことはただ一つ、重さー軽さという対立はあらゆる対立の中でもっともミステリアスで、もっとも多義的だということである。

(『存在の耐えられない軽さ』)

 

 

 

昼過ぎに、坂井市三国町にある妻の実家に到着した。前回の帰省(下の記事)から約半年ぶりである。僕が妻の実家に来たのはこれで5回目。義父も義母も成長した孫を見て喜んでいた。

 

gorone89.hatenablog.com

 

夜、ハルタを寝かしつけると、妻と二人でテレビを見ながら、僕らと同じく関東に住んでいる妻の妹さんの帰省を待っていた。テレビに、福井の地方CMが流れていたが、これが結構面白い。

 

特に福井の学習塾、今西数英教室のCMが心打たれた。YouTubeを検索したら、ちゃんとアップされてた。

 

 

www.youtube.com

 

「勉強なんて所詮、誰かの壮大なロマンだ」

 

 

 

2日目の朝、お坊さんがやってきた。妻の祖父の三回忌である。

 

お坊さんがお経を読んでいる間、ハルタはお坊さんをのぞき込んだり、仏壇開け閉めしようとするので、何度も捕まえに行かなければならなかった。

 

三回忌が終わると、僕はひとりで外に散歩に出た。外に出る前に妻の妹さんが、「近くで伝説のポケモンが出るよ」と教えてくれたが、僕はとっくにポケモンGOをやめている。

 

自分の見知らぬ土地を歩き回るのはとても好き。そのうち、「ナホトカ号漂着の碑」にたどり着いた。

 

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平成9年に、ロシア船籍タンカー「ナホトカ号」が日本海で沈没し、三国の海は重油に覆われた。地元の住民と全国から駆け付けたボランティアの方の必死の重油回収作業により、三国の海は美しさを取り戻した。

 

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海を眺めていると、妻から「外にお昼を食べにいこうよ」と電話。

 

 

 

お昼は近所の食事処でいただいた。

 

お刺身などもおいしかったが、何よりカニがおいしかった。身が引き締まっている。今が最も越前ガニの獲れる時期だそうで、地元ではカニフェスティバルなるものが開催されているらしい。(まじ行きたい)

 

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身をほじくって(?)食べた。食べている間、みな無口になった。

 

〆は、カニ飯である。カニの身がふんだんにご飯の上に盛り付けられており、これをかき混ぜて食べる。

 

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「うまい……!」もうこれ以上の味の表現はできない。

 

量もかなりあり、これまで様々な海の料理を食べておなかが膨れていたので、妻の一家もみんな食べきれないようであった。残してしまったカニ飯は持ち帰り(ここら辺のお食事処の料理はお持ち帰りが前提らしい。ほんとか?)、夜にまた食べた。

 

というわけで、カニを満喫したのでした。自慢です。

 

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