ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

中国文化への興味がにわかに高まり、『三国志』の勉強を始めた話

 

NHK出版新書の『幸福な監視国家・中国』を読んだ。本書では、監視国家として急発展中である中国の現状をコンパクトにわかりやすく解説している。

 

幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書)

幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書)

 

 

政府による監視の体制とそれの更なる発展の可能性は、まさしくディストピア小説で描かれてきた世界そのもののように見える。ディストピアに見える中国の監視社会は、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』的な世界よりも、オルダス・ハスクリーの『すばらしい新世界』的な世界に近いと筆者は言う。人々が画一的で自由を奪われた生活を送る『一九八四年』の世界に対して、社会規範を逸脱しないような「条件づけ」が個々になされた上で、人々が資本主義的で功利主義的な価値観をベースにしながら、自由を謳歌しているのが『すばらしい新世界』の世界である。

 

中国社会の多くの人は、監視カメラが増えることで、治安が良くなり、安心して生活できると考え、監視がない状態よりもむしろ自由に活動できる監視社会を受け入れている。情報技術の功利主義的な利用が方法が人々の行動を強制する「管理権力」の概念を、ポジティブなものへと更新させているのである。強制を受け入れることのメリットを感じさせるような社会の構築を目指していると思われる「社会信用システム計画」が、今後どのような道を辿っていくのかについては非常に興味深い。

 

本書は嫌中本ではない。中国を批判するのでなく、中国をケースとして近未来の情報技術の在り方を考察する姿勢に好感が持てたし、勉強にもなった。

 

 

 

最近、『幸福な監視国家・中国』のような良書に巡り合ったり、中国発SFを読み機会が増えたりと、個人的に中国が熱い。

 

国史にも興味が湧いてきて、妻が高校時代に使っていた世界史の資料集を使って、基本的な知識を学んでいる(日本史は大学受験で選択していたので教科書程度の知識を抑えているが、世界史の知識は皆無な僕)。加えて、近頃、友人に「コテンラジオ」というポッドキャストで聴ける歴史トークラジオを教えてもらい、中国史への勉強熱はより強まった。

 

twitter.com

 

「コテンラジオ」、マジで面白い。国内外の歴史について面白おかしく、ディープに語られるのだが、特に「諸葛亮」についての回は最高だった。諸葛亮の無私の精神と行動力、そして聡明さにシビてしまった。

 

諸葛亮といえば、三国志の英雄である。が、恥ずかしながら、僕は三国志についての知識は全くなく、諸葛亮でさえ、「コテンラジオ」を聞くまで、「誰だっけ?……そういえば、映画で金城武が演じていたような」くらいの知識の浅さであった。

 

三国志が好きな人は多く、仕事なんかで三国志の場面や英雄の人格や言動が一般常識的に引き合いに出されることは多い。ちょうど中国熱が自身の中で高まっているいい機会なので、今月から本格的に三国志の勉強を始めた。

 

 

 

三国志を学ぶと言っても、かなり壮大で、一筋縄ではいかないということが判明した。

 

とりあえず今学びとして取り組んでいるのは、以下の①〜④。

 

①小説『三国志』(吉川英治)を聴く

 

三国志(一) (吉川英治歴史時代文庫)

三国志(一) (吉川英治歴史時代文庫)

 

 

 オーディブルで通勤時間に聴いている。全10巻。

 

②漫画『三国志』(横山光輝)を読む

  

三国志 1 (潮漫画文庫)

三国志 1 (潮漫画文庫)

 

 

文庫版(全30巻)を読んでる。分かりやすい。学校の図書室に置いてあったのに、学生の頃に一度も手を伸ばさなかったことが悔やまれる。

 

③ドラマ『三国志 Three Kingdoms』を視る

 

 

2010年製作、中国のドラマ(全95話)。日本円で25億円もかけて作られたらしい。スケールがでかい。面白すぎて、眠るのも忘れて深夜まで視聴している。

 

④『正史 三国志』(陳寿)を読む

 

正史 三国志〈1〉魏書 1 (ちくま学芸文庫)

正史 三国志〈1〉魏書 1 (ちくま学芸文庫)

 

 

①〜③は、小説『三国志演義』を元にしたフィクションであるので、原典である史書も知っておきたいと思い、Eテレの「100分de名著」とそのテキストの手助けを受けながら読んでいる。ちくま学芸文庫で、全8巻。現在1巻を読んでいるが、すでに挫折しそうな予感。

 

 

 

さて、本日3月15日は曹操の命日だそうだ。曹操も格好いいけど、(三国志作品での描かれ方の影響かもしれないが)今のところ三国志の英雄の中では劉備に最も惹かれている。

 

自身ももう30歳になったので、組織の中でのリーダー論を考える機会が増えた。個人的に、劉備は理想的なリーダーである。リーダーは、統率力や話術、聡明さなどをそれほど持ち合わせてなかったとしても、劉備のように、仁義を忘れず、目下の者に敬意を持ち、彼らの意見を傾聴する器のでかい人間であってほしいと思う。

 

以下は、コテンラジオの深井龍之介さんによる劉備についてのグッとくるツイート。

 

 

 

 

三国志』関連のおすすめ書籍やコンテンツがあれば教えてください。