ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

PCR検査を受けた話

 

ここ一週間ほど体調を崩していた。朝から昼にかけて比較的体調がいいのだが、夕方になると37度前半の微熱が出て、倦怠感と頭痛、そして咳が止まらなくなる。

 

4月8日は、前日までと違い、朝から倦怠感があった。体温を測ると、37.0度。数日前から在宅勤務に切り替えていたので、市販の風邪薬を飲んで眠ってみたが、倦怠感と頭痛は逆にひどくなり、夜には体温も38度台まで上がった。嗅覚、味覚障害などはないものの、もしかすると、新型コロナウイルスに感染したんじゃね?とやっと疑い始めた。妻も「絶対検査してもらった方がいいよ!」と言う。新型コロナウイルスの感染者や海外渡航者と接触した覚えはない。とにかく夜遅かったので、翌日に病院に連絡することにした。

 

4月9日、朝に体温を測ると36.5度。平熱に下がっていた。近所の総合病院に電話し、病状を説明すると、案の定「まずは保健所に連絡して」と言われた。ネットで調べ、H保健所に電話し、病状を話すと、親身になって話を聞いてくれた。「PCR検査をして陽性の判定が出たとしても、ゴロネさんのような軽症だと結局自宅療養になってしまうんですよね」と保健所の方。だから、PCR検査しても意味ないよってことか……。「ただ、幼い2人の子供がいるので、彼らに何かあったらと思うと心配で」と言ってみた。「……では、検査を望むということでいいですね? ゴロネさんのお住まいはどちらですか?」「I市です」「えっ……、ここまでお話し聞いたのにすみません。先にお住まいをお聞きすればよかった。I市はH保健所でなく、D保健所なんです」……え〜、今までのやりとりは何だったんだ。まあ、I市はH保健所の管轄だと勘違いした自分が悪いんだけど。

 

気を取り直し、H保健所に聞いたD保健所の電話番号に連絡した。D保健所の対応はH保健所に比べるとかなり冷たかった。僕のような電話を迷惑がってる様子である。「新型コロナウイルスに感染した人や海外渡航者と接触してないなら、それはコロナではないです。普通に病院で診察を受けてください」ときっぱり言われた。……それはおかしくないか? これほどリンクが追えない感染者の増加が話題になっているのに……。PCR検査はなかなか受けさせてくれないという噂は本当だったんだなあ。

 

近所の総合病院に電話し、D保健所に言われた旨を伝ると、「では、いらして下さい」と言われた。病院には自家用車で行った。病院の正面入り口で体温を計り(このとき36.9度)、看護師さんにこれまでの症状をいろいろ質問された。最後に「車内で診察するので、車で待機していてください」と言われ、駐車場の車に戻った。40分くらい待ったと思う。僕は病院の方を眺めながら、Audibleでカフカの『城』を聴いた。主人公のKはいつまで経っても、城に辿り着くことはできない……。

 

病院から電話が来た。救急外来の方に車を回してくれと言われ、そちらに車で向かった。普通に診察を受けて、風邪薬の処方箋をもらって帰ることを予想していたが違った。救急外来の入り口の前にテントがあり、その前に防護服を着用した2人のお医者さんがいた。車を停めて窓を開けると、片方のお医者さんに「車に乗っていただいたまま、PCR検査をします」と言われ、車のドア越しに、長い棒を鼻の中に5秒間突っ込まれた。これは韓国でやってるドライブスルー方式じゃないか。PCR検査はインフルエンザの検査より、さらにキツかった気がする。痛くて咳込み、涙が出た。PCR検査の画像がネットにあったので、ここに貼っておく。

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そのまんま、これ(↑)をやった。「検査の結果は明日か明後日に保健所から連絡があります。それまで自宅から一歩も外に出ないでください」とお医者さんに言われた。帰宅したが、自身の身の置き場に困った。独身で一人暮らしならまだよかったが、妻と2人の息子と一緒に住んでいるのだ。僕が陽性であったら、家族を感染の危険に晒していることになる。実家に一人で行こうかとちらりと思ったが、もうすぐ60歳になる両親に感染させる方がリスクが高いし、まだ両親とも現役で働いてるので彼らの職場に迷惑をかけてしまうかもしれない。もう手遅れだとは思うが、自身を自宅の一部屋に隔離し、家族の誰とも会わないようにした。

 

検査の結果が出るまで落ち着かなかった。自分がどうこうより、周りの人に感染を広げてしまったのではないかと思うと恐ろしかった。体調を崩した初期の頃は、職場の人と接触してしまったし、子供の送り迎えのために保育園の中にも入った。なにより、自分の息子たちの命に関わるようなことが起きてしまったら……。

 

陽性だったとしたら、自分はどこでウイルスをもらってきたのだろう。通勤は電車でなく車だし、人混みも避けるようにしてるし、この頃外食もしていない。3月の三連休の最終日に長男と公園に遊びに行ったのがマズかったかなと考えた。あのとき公園にはたくさんの人が来ていた。……いろんな考えと後悔が頭の中を駆け巡った。

 

4月10日、18時頃、保健所から電話がかかってきた。検査の結果は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陰性でした。

 

ただし、「検査の結果には間違いがあることもあるので、しばらくは大人しくしていてください」と言われた。確かに、自分でも調べていたけど、PCR検査の感度はそれほど高くなく、偽陰性が出ることも少なからずあるそうだ。陰性の結果に少しホッとしたが、しばらくは家に自分を閉じ込めておこうと決意した。熱はないものの、まだ咳は出るし。

 

自分の知人の中には、PCR検査を受けたよという人がまだいない。PCR検査はなかなか受けられないと聞いていたので、今回病院で突然受けることになって驚いた。検査の時に、その病院でのPCR検査を受けられる基準が書いてある紙をもらったが、基準は以下である。

 

①37.3度以上の熱がある

② ①以外に2週間以内に発熱があり、最後に熱が出て10日を超えていない

③ ②以外で2週間以内に1時間以上2メートル以内で一緒に会話している人が新型コロナウイルス感染症もしくは疑いであった(海外旅行、集会、飲み会、法事、結婚式、入学式、卒業式、オリエンテーション等含む)

④1週間以内に嗅覚、味覚障害が出現し、現在も続いている

 

 

……僕の場合、②の基準に該当していたんだと思う。PCR検査が受けられるかどうかは、病状や、地域の病院や保健所によって変わってくるのだろう。自分は運良く(?)、すんなり検査を受けることができた。

 

検査の結果を待つ間、正直、生きた心地がしなかった。周囲の人が皆感染していればそれほど怖くなかっただろうけど、自分が感染が広がる初期に感染者と判定され、感染源と見られることが怖くてたまらなかった。毎日のように流れてくる感染者へのバッシクングのニュースを目にしていたので、自分の家族も職場や保育園で差別されるのではないかと考えてしまい、変な汗をかいた。やっぱり、感染された方を責めのは絶対ダメである。

 

あと、後悔しないためにも「stay home」がとにかく大事だと今回のことで痛感させられた。PCR検査もかなり痛いです。嵐が過ぎ去るまで、皆さん、なるべく家にいましょう。