慌ただしかった自粛明けの日々の話
1
パンツも乾かなかった。
やっと夏が来たが、今年の梅雨のしつこさには本当に辟易した。内臓にカビが生えるかと思った。洗濯物もなかなか乾かず、たまる一方であった。
ある日、風呂から上がると、乾いたパンツが一つも残っていなかった。妻にそれを裸で言うと、「コンビニで買ってくれば」と冷たい返事。「ノーパンで買いに行けってこと?」と僕が言うと、妻は無言でこちらをぎろりとにらみつけた。22時、ノーパンの上にダイレクトにズボンを履いて、雨の降る外に繰り出し、ローソンでパンツを2枚購入した。
文明の利器はどんどん活用すべきだと今更気づいた。7月の中旬に定額給付金で新しいエアコンを買った。以前まで使っていたエアコンは、妻が独身時代から使っていたものであったが、昨年の冬から壊れていたのである。
「ドライ」の偉大さよ。部屋干しで洗濯物が乾くスピードが格段に上がった。
2
自粛が明けてここ2か月の仕事の忙しさは目が回るようであった。
感染症対策をしながらの業務は一層気を遣うし、消毒作業に本来の業務の時間が圧迫された。加えて、マスクによって体力が奪われた。主にしゃべることが仕事なので、マスクで息苦しくなり、午後になると意識が朦朧とさえするのであった。
大きなミスもした。自分はもう一人前なんだという慢心が招いたミスでもあったと思う。多くの人に迷惑をかけ、かなり落ち込んだ。同僚の優しい声かけに助けられた。今回のことを忘れず、同じ失敗を二度と繰り返さないようにしたい。
仕事のしんどさも増したが、生活の慌ただしさの主たる要因は、何と言っても3歳と1歳、2人の息子の育児であろう。
3
育児休暇を終えた妻が今年度から職場復帰をしたので、以前のように育児を妻ばかりに頼ることができなくなった。
朝は夫婦で5時半に起き、6時に息子たちを起こす。6時に起こされる息子たちもたまったものではないだろう。てか、なかなか起きない。仕事の準備をしつつ、保育園の準備をを分担して行い、眠気まなこの息子たちを7時には保育園に預ける。大抵、息子たちが保育園の一番乗りである。
1分1秒を無駄にしないよう、効率を意識して仕事をこなし、17時には職場を出られるようにする。基本的に息子たちの迎えは、車の運転ができる僕の役割である。なかなか17時には仕事が終えられず、保育園に残っている幼児が息子たちで最後ということがよくある。保育園に早朝から晩までいさせてしまってごめんよ。
息子たちと帰宅すると、そこから洗い物、料理、洗濯を一気にし、息子たちを風呂に入れる。一段落するころには時計は22時をまわっている。そこから持ち帰りの仕事をし、いつのまにか電池が切れてバタンキュー……でふりだしに戻るを繰り返す毎日である。
6月下旬、次男が熱を出した時期は大変であった。妻と交代で半休を取ったりして、看病にあたった。夫婦ともにストレスがたまり、仲が険悪になることもあった。なんとか夏季休暇のある8月までたどり着いた。給水地点である。
またこの慌ただしい日々が9月から再開するのか……。夫婦共働きで、子供を立派に育て上げられた諸先輩方、まじリスペクト。
4
ということで、ここ2か月は趣味である読書が捗らなかった。読んだのは『三体』の続編、『三体Ⅱ』の上下巻くらい。
内容の紹介は省略するけど、前作をはるかに超える興奮があった。疲れも忘れる面白さがある。下は前作の紹介記事。
☆
精神的なしんどさがあったこの2か月であったが、それを大きく救ってくれたのはやはり息子たちの笑顔であった。彼らがいるから、前向きに頑張ろうと思えた。
今年の夏休みは何して息子たちと遊ぼうかしら。