ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

実家でゴロゴロしながら『自律する子の育て方』を読んだ話

 

 

夏休みの終わり、実家に寄った(実家は自宅から車で10分のところにある)。祖父母宅に久しぶりに来た僕の幼い息子たちは、大はしゃぎ。おもちゃを突然壁に投げつけたので、「こらこら、おもちゃを投げちゃだめでしょ!」と叱った。

 

うつ病から脱した父も元気そうであった。仕事もちゃんと行ってるそうだ。うつ病と診断されたときは、もう以前の父は戻ってこないのではないかとちらりと思ったが、元気になってくれて本当によかった。

 

gorone89.hatenablog.com

 

父は消防士である。定年間際の今は出動はせず、事務仕事が主であるそうだ。「どうよ、最近は消防は忙しい?」と聞くと、「救急車が帰ってこない」と父。コロナ患者の受け入れ先の病院がなかなか見つからないため、救急車は一度出動すると出ずっぱりになってしまうのだ。最前線で戦っている方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

昨年の自身のブログを読んでみると、「このコロナ禍が収束したら」という言葉がよく出てくる。近頃、もうそういう希望すら抱けなくなってきた。このマスクはいつになったら外せるのだろうか。実家に行ってもマスクをつけているなんてバカみたいである。

 

 

 

父は狭い庭に子供用プールを用意していて、孫をそこに入れて遊ばせた。

 

僕は和室でゴロ寝して読書をした。今年度は昨年までに比べ時間に余裕があり、読書が捗る。自分は教師でありながら、これまで教育関連の本を進んで読んでこなかったのだが、今年度は意識して月に1、2冊のペースで教育関係の本を読み進めるようにしている。

 

今のところ特に感銘を受けたのは、『国語の授業の作り方:はじめての授業マニュアル』と『一枚ポートフォリオ評価OPPA』の2冊である。この2冊は今後の教育活動で手放せないことになると思う。

 

 

 

実家では、教員仲間が貸してくれた『自律する子の育て方』を読んだ。

 

 

3

 

 

本書は約3年間にわたる「麹町研究」の一部をまとめたものです。麹町研究とは、学校改革の旗手麹町中学校の元・校長工藤勇一氏と、神経科学という最先端研究を教育分野で活用しようとする青砥瑞人氏による「神経科学をエビデンスにしながら学校教育を本質から問いただす」ことをテーマにした研究会です。全国からメンバーを広く集め、学校運営システムや教育環境、生徒へのアプローチの仕方、人材育成の方法を一から問い直していく場が設けられました。実践と研究を両輪としたこれまでにない教育書の決定版です。

 

宿題廃止、定期テスト廃止、固定担任制廃止など教育改革を進めた麹町中学校の元校長、工藤先生の実践や研究は公立学校界で話題になっているので元々興味があった。本書では青砥氏の脳神経学の知見を裏付けとして、麹町中の実践の合理性が語られている。

 

「『叱る』を目的にしない」「大人にもできないことを求めない」「『失敗してもOK』を徹底する」「大人が完璧な人間を演じない、目指さない」「人と比較しない」などなど、肝に銘じておきたいフレーズがごろごろとあった。個人的にはここに語られている実践は自分がなんとなく理想としていた教育であったが、なかなかこれまで言語化できずにいた。それをこの本が言語化してくれてすっきりした。

 

さらに、この本を読んで、これまで生徒の心を無意識に追い込んでいなかっただろうかと、大いに反省をした。「『叱る』を目的にしない」という話題は印象的だった。

 

 叱ることが一概に悪いわけではありません。麹町中学校でも子どもの命に関わることに関しては、迷うことなく叱ると全教員で共有していました。しかし、それ以外のことでは、頭ごなしに叱ることはありません。もちろん体罰のような暴力行為はもってのほかです。なぜなら「子どもがどう変化するか」という「結果」のほうが大切であり、「叱る」という行為は、そのための手段にすぎないからです。

 

僕は学校現場で、「誰かの心を故意に深く傷つけたとき」と「誰かの命を危険にさらしたとき」以外の場合は叱ることをしないように心がけてはいた。しかし、果たして「『叱る』は手段である」ということをちゃんと整理できていただろうか。

 

 

 

こういう本を読むと、最近は生徒より先に自分の幼い息子たちの顔が浮かんでくる。

 

生徒の前では結構穏やかな自分でも、息子たちを前にするとつい怒りの感情が先走ってしまい、口うるさく叱ってしまうことが少なからずある。青砥氏は「激しく怒られるほど頭には残らない」といい、怒られるかもしれないというプレッシャーが子供の自律を阻むという。またまた反省し、ちゃんとアンガーマネジメントができるようにならなきゃなと思うのでした。