『アナログの逆襲』とノートのプレゼントの話
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『アナログの逆襲』を読んだ。
アナログの逆襲: 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる
- 作者: デイビッド・サックス,加藤万里子
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2018/12/10
- メディア: 単行本
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本書では、デジタル技術が日進月歩の勢いで発展している現代で、アナログなモノや発想が、世界で再評価されている要因を徹底した取材に基づき読み解いている。アナログ好きであり、アナログの力を信じる僕は、本書の目次を読んだだけでもワクワクせずにはいられなかった。
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【目次】
はじめに ポストデジタル経済へ
PARTI アナログな「モノ」の逆襲
第1章 レコードの逆襲
第2章 紙の逆襲
第3章 フイルムの逆襲
第4章 ボードゲームの逆襲
PARTII アナログな「発想」の逆襲
第5章 プリントの逆襲
第6章 リアル店舗の逆襲
第7章 仕事の逆襲
第8章 教育の逆襲
第9章 デジタルの先端にあるアナログ
おわりに 夏の逆襲
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「第2章 紙の逆襲」では、ブランドノート「モレスキン」の成功と、フィジカルな「モノ」の代表である紙の強みについて書かれている。「ママ・モレスキン」と呼ばれるモレスキン社の中心人物であるマリア・セブレゴンディは感覚に重点に置くメソッドについて次のように語る。
「私がデザインで重視するのは、運動感覚的なアプローチです」
「私たち人間は、感覚によって肉体的な刺激を受ける必要がある。つまり、視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚によってね」
「過去三〇年間で、デジタルの夢は現実になった。でも、それが素晴らしいことだけじゃないと私たちは気がついた。人間には、フィジカルなモノと経験が不可欠なの」
僕も一冊モレスキン・ノートを持ってる。3年前くらいに購入して、重宝している。新しい何かをここに書きつけるときは非常に心躍る。
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文具好きの妻が以前から「アクセスノートブック」というノートを欲しがっていたので、ホワイトデーにプレゼントしてあげることにした。アクセスノートブックのことをネットで調べている内に、自分も欲しくなってきた。
モレスキンに見た目は似ているが、様々な機能的な工夫が施されており、特に「目的のページに素早くアクセスする」という工夫に力が入れられている。早速、ホームページに掲載されている近所の取扱店にアクセスノートブックを探しに行ったが、どこに行っても置いていない。ホームページの情報が古いままなのではないか?
最近、欲しいモノはできるだけ実店舗で見つけようという信条があるのであるが、ホワイトデーが差し迫っていたので、結局、ネットで購入した。妻と僕の2人分。色もお揃いにした。一冊2570円、計5140円也。
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近頃、読んだ本のタイトルや内容が思い出せないことが多い。音楽の場合もそうだ。音楽を聴いても、一度覚えたはずのタイトルやアーティスト名がなかなか出てこないのである。
もしかしたら、記憶に残らないのは、その作品との出会いに「物語」がないからではないかと僕は疑っている(単純に脳が老化してるだけなのかもしれないが)。働くようになってから店舗に探しに行くのが面倒で、気になった商品はすぐAmazonでポチっとしてしまう。で、数日で家に届く。今すぐ読みたい本は電子書籍で読めるし、大体の音楽はyoutubeで聴ける。
作品と出会うまでに間が空かないし、出会うのも容易になってしまったのである。つまり出会いまでの物語が発生しない。それゆえ、その作品に対する思い入れがそれほど生まれず、記憶に残りづらいのではないかと僕は推測しているのである。
そこで、何かを買うときはなるべく実店舗に足を運ぼうという決意をした(実店舗での偶然的な出会いにも期待している)。そして、本当に大切にしたいものは、デジタルではなく、アナログで所有しようと思った。
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購入したばかりのアクセスノートブックは、来年度の仕事用のアイディアノートとして使おうと考えている。僕は何かを考えるときは基本、ノートを使っている。パソコン上よりもノートの方が想像力が高まる(気がする)。1年半続いているこのブログもまずノートに書き出してから、デジタルな記事にしている。
僕は昔からノートをきれいにまとめるのが苦手である。字も自分以外の人間には解読不能である。それでも自分が書き溜めたノートには愛着があり、なかなか捨てられない。
人のノートを見るのも結構好きである。人によってさまざまなノートの使い方やまとめ方があり、個性的で面白い。
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ホワイトデーは、アクセスノートブックに加え、ホワイトチョコレートがふんだんに使われたケーキを妻にプレゼントしました。
すっかり春めいてきましたね。