ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

2017-01-01から1年間の記事一覧

同級生との飲み会と『美少女戦士セーラームーン』と『Kの昇天』の話

1 先日、中学校の同級生の何人かと飲みに行った。 1年か2年かの周期で集まるのであるが、それぞれ取り立てて面白い近況の話題を持っているわけではなく、話題のほとんどは中学時代の思い出に終始するのであった。 調理実習をボイコットした話、学校の廊下…

『l was born』と『中動態の世界』の話

1 「天気がいいから、ハルタと散歩に行ってくる」と言った。 「別にいいけど、髪をとかしてから外出したほうがいいよ。誘拐犯と間違われるかもしれないから」と妻。 なるほど鏡をしっかり見てみると、無精髭も生えているし、髪は鉄腕アトムみたくなっている…

父親になって初めてのクリスマスと『アンパンマンのサンタクロース』の話

1 クリスマス・イブ、日が沈んだ頃、予約したケーキを取りに行くため、ひとり家を出た。 寒い。コートに手を突っ込み、きらびやかに飾られた夜の町を歩く。 通りがかった居酒屋の前で、サンタクロースの格好をした可愛らしい女の子3人組がチキンを販売してい…

『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の話―愛すべき未熟なジェダイ、ルークについて

1 『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』を公開初日(12月15日)に、レイトショーの回で見てきた。 僕はエピソードⅠ~Ⅲの世代で、小学4年生のときにエピソードⅠを映画館で見たとき以来、新作は劇場で見てきたが、公開初日に見に行ったのは今作が初めて…

名画座での思い出や学びの話

1 名画座とは、主に旧作映画を主体に上映している映画館である。たくさんのスクリーンで新作を代わる代わる上映するTOHOシネマズやイオンシネマなどのシネマコンプレックスの台頭で、名画座は一時代よりも大分減ってしまったようだけど、探せば、それぞれ特…

久しぶりの歯医者と『あんぱんまんとばいきんまん』の話

1 ここ数ヶ月、奥歯にかすかな痛みがあったのだが、仕事も忙しく、歯医者に行くのが面倒くさいので放置していた。 横着の結果が現れたのは、先日の夜である。自宅での食事中、にわかに奥歯の痛みが激しくなった。 「いたいよお~」 耐えがたい痛さである。し…

メロスはなぜ「赤」なのか?-『走れメロス』再読のすすめ

1 冬になると、学生時代、太宰治の生家である斜陽館に一人で行ったことを思い出す。斜陽館は青森の津軽鉄道線沿いにある。 あの日はクリスマスで、たくさんの雪が降っていた。僕はストーブで温まった津軽鉄道に揺られ旅情に浸りながら、彼女欲しいなあとか…

福井での日曜日とウサギとカニの話

1 博物誌 (新潮文庫) 作者: ジュール・ルナール,Jules Renard,岸田国士 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1954/04/19 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 157回 この商品を含むブログ (27件) を見る 兎 Les Lapin 半分に切った酒樽の中で、ルノワアルとル…

福井での土曜日と『スタイルズ荘の怪事件』の話

1 この前の土日に、福井にある妻の実家へ家族で行った。日曜日に行なわれる妻の祖父の法事に参列するためと、妻の親戚たちに生後8か月である息子のハルタの顔見せをするためである。 僕たちは関東に住んでいて、福井まではなかなかの距離があるため、妻の実…

『ブレードランナー2049』の話・後編(K編)

前回の記事に引き続き、『ブレードランナー2049』の話をします。ネタバレは気にしません。 前回はデッカードの話ばかりしてしまったが、主人公のレプリカント、Kもヨカッタ。 まさにハードボイルド。僕も映画の鑑賞後はハードボイルドな気分(?)になり、K…

『ブレードランナー2049』の話・前編(デッカード編)

トピック「ブレードランナー2049」について 今回は『ブレードランナー2049』の感想文を書きます。ネタバレは気にしません。 息を飲む映像美、前作を思い出すどこか悲しみを帯びた音楽、2時間44分の長さを感じさせない物語構成、つい感情移入してしまうキャラ…

僕とポケモン史。ー『ポケットモンスター ウルトラサン/ウルトラムーン』発売に寄せて

◎『ポケットモンスター』ゲームシリーズとの思い出 僕が初めてプレイした『ポケモン』ゲームは、初代シリーズの『青』版であった。コロコロコミックの紙面上で限定発売されたバージョンである。 あれは小学校低学年の頃だったかなあ。お友達の小学生の間では…

鎌倉の結婚式と『ぼくの短歌ノート』とゆとりの生き方の話

友人であるヒゲ(あだ名)の結婚式は鎌倉で行われた。この日はしとしとと雨が降っていた。 式に招待された友人たちと待ち合わせをし、一緒に会場に向かった。鎌倉駅で江ノ電に乗り換え、長谷駅で降り、傘を開いた。 雨にもかかわらず、たくさんの観光客がい…

『論語』とお土産のオムライスの話

近頃、毎朝10分間、『論語』の書き下し文を音読している。 古典を音読するのは好きで、特に『論語』はいい。心が引き締まる感じがする。 論語 (岩波文庫 青202-1) 作者: 金谷治訳注 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1999/11/16 メディア: 文庫 購入: 29…

ルフィ大好き宣言ー『ONE PIECE』20周年に寄せて

終わりの見えない仕事の量に、毎日胃がきりきりと痛む日々である。 正直、このようにブログを書いている時間は、仕事を効率的に処理しようとすれば、無駄な時間であるのかもしれないが、読むことや書くことなど、自分の生きがいの時間を削減してしまっては、…

『奥の細道』とセミ論争と「しずかさ」の話

秋になり、空気が澄んだからだろうか、朝に自宅から見える山々がとても美しく感じられる。 昔は自然を美しいと感じることなんて一切なかったのになあ。少しは大人になって、心のひだが増えたのかしら。 仕事に行く前に美しい山々の景色を見ると、気持ちが落…

『ハリー・ポッターと賢者の石』と魔法使いになりたかった少年のころの話

学生時代、アルバイトの一つとして、学習塾で中学生に勉強を教えていたことがある。大半の中学生が「将来の夢は何?」と聞かれると、職種を答えることに違和感があった。 別にその答えが悪いとは言わないけれど、将来どのような生活を送りたいかをもっと語れ…

『古典落語』と出奔の妄想と「私の癒やし」の話

今週のお題「私の癒やし」 ◯ 三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい(高杉晋作) 『世に棲む日日』(司馬遼太郎・全4巻)をやっと読み終えた。高杉晋作って、やっぱりカッコイイなあ。詩人的な感性と、「動ケバ雷電ノゴトク、発スレバ風雨ノゴトシ」行…

理系でゲーマーな妻と『まだ科学では解けない13の謎』と『名付けられた葉』の話

妻はゲーマーである。 最近はモンハンのオンラインに熱中していて、息子が眠ると、すかさず狩りに出かける。その熱中ぶりは、付箋と書き込みでいっぱいの攻略本からも伺える。自分が考え抜き、厳選した装備とスキルでモンスターをしとめる瞬間がたまらないと…

10歳までに見せたい映画100本と『監督 小津安二郎』と寂しかった大学時代の話

これから映画を毎日見ようと決めたのは、コンビニでのバイトの最中であった。 あれは19歳くらいの頃かな。バイトは夕方勤務であったが、客足は少なく、あまりに退屈だったので、頭に浮かんだとりとめのないことをレシートの裏に書き連ねるという遊びをしてい…

『しろくまちゃんのほっとけーき』と『パパは脳科学者』と時間の概念を獲得した息子の話

息子ハルタが最初の絵本を手に入れたのは、今年の夏のことであった。 とにかく暑かったので、仕事を早く切り上げて、妻に「帰る」とLINEを入れたら、「妹来てるから何か冷たいもの買ってきて」という返信。31アイスクリームに寄り、3人分のアイスを買った。…

『世に棲む日日』とヒゲと八重洲ブックセンターの話

ヒゲが来週結婚する。 「ヒゲ」とは高校時代からの友人のあだ名である。ヒゲは高校生の頃からヒゲを蓄えていた。あの頃はまだヒゲが薄かったが、徐々に濃くなっていき、今ではボボボーボ・ボーボボだ。 僕の数少ない友人のひとりであり、今でもたまに一緒に…

三大和歌集と『君の名は。』と逆流性食道炎の話

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを 小野小町 古今和歌集 (岩波文庫) 作者: 佐伯梅友 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1981/01/16 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (32件) を見る 朝は大抵、気持…

『存在と時間』と結婚記念日と男の無力さの話

もうすぐ1年目の結婚記念日である。妻は「あの日はちょっとむかついたわ」と、昨年の婚姻届を出しに行った日を思い出す度に言うのだった。 婚姻届は平日の夜に出しに行った。あの頃は僕も妻も、仕事や引っ越しなどでストレスが溜まっていた。届出に行く日は…

『すばらしい新世界』とカレー味のうんことうんこ味のカレーの話

思いがけず、28歳となった。 先日、夕方にランニングしているときに、28歳になったらブログを始めようと思い立った。 いろんなことを忘れたくないと思った。なんだか何を忘れてしまったのかを忘れてしまったほどに、これまでの様々なことを忘れてしまった気…