ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

2020-01-01から1年間の記事一覧

松陰神社に行った話など

1 Audibleで『いっきに学び直す日本史』を聴いた。大学受験の学習参考書であった『大学への日本史』が最新内容に全面改訂されたのが本書であるそうだ。 いっきに学び直す日本史 【合本版】 作者:安藤 達朗 発売日: 2016/07/01 メディア: Kindle版 高校で文…

『エチカ』を読んでースピノザ的自由の話

1 スピノザの説くあり方の神であれば、なんとか信じることができた。 すべて在るものは神のうちに在る、そして神なしには何物も在りえずまた考えられない。(『エチカ』第一部定理一五) 17世紀オランダの哲学者スピノザは、世界のあらゆるものは神の持つ性…

体が溶け出す8月がやってきた話

1 いつの間にか30回目の8月がやってきた。僕はそれに気づき、慌てて朝からプールに飛び込んだ。水の中は気持ちがいい。 プールに入ると、学生の頃を思い出す。大学生の夏休みがあまりに長く、退屈であったので、毎日午前中は近所のプールに通っていた。…

慌ただしかった自粛明けの日々の話

1 パンツも乾かなかった。 やっと夏が来たが、今年の梅雨のしつこさには本当に辟易した。内臓にカビが生えるかと思った。洗濯物もなかなか乾かず、たまる一方であった。 ある日、風呂から上がると、乾いたパンツが一つも残っていなかった。妻にそれを裸で言…

大胆さと繊細さが絶妙にマッチしたSFお仕事小説『タイタン』の話

1 就職してからこれまで、怠け者の僕は仕事の過酷さに苦しんできた。 生きるためとはいえ、なんでこんなに仕事ばかりしなきゃならんのだ。仕事などどこかに放り捨てて、一生ぐうたらして過ごしたい!と毎日のように思っていた。 ……ところ、このコロナ禍で自…

消えない煩悩の話

お題「#おうち時間」 1 この数か月、気分はもう専業主夫であった。 妻は基本出勤、僕は基本在宅勤務である。保育園の「なるべく登園自粛をお願いしたい」という方針を生真面目に守り、自然、自宅にいる僕が息子2人の面倒を見ることになった。育児休暇を取…

本屋に出かけた日曜日と『コロナの時代の僕ら』の話

1 またすぐ感染の第2波はやって来るかもしれないが、とりあえず我が家の外出自粛も終わりを迎えようとしている。6月になったら夫婦ともに本格的に出勤が始まり、2人の息子は毎日保育園に預けることになる。 「この期間、子供がいたからかろうじて生活リ…

『14歳からの読解力教室』を読んでー方略を取り入れた「読み」をしよう!

昨今、日本の子供達の読解力の低下が話題になることが少なくないが、「読解力はなぜ必要なのか?」、「読解力を高めるにはどうすればいいのか?」、「そもそも読解力とは何か?」といった疑問に簡潔に分かりやすく答えてくれるのが、『生きる力を身につける …

居酒屋で3歳息子とサシ飲みした休日の話

1 以前ならば仕事柄、土日祝日関係なく働いていたが、密状態を避ける状況下になったことでちゃんと休日が休日として休めるようになった。不要不急の外出は避けなければならないものの、やっぱり嬉しい。 休みなのであるからいつまでも朝寝坊しても許される…

幸せについて本気出して考えてみたこの頃の話ー『幸福とは何か』を読んで

1 ジョギングしているとき、ふと先日の「絆の力があれば、目に見えないウイルスへの恐怖や不安な気持ちに必ず打ち勝つことができる」という総理大臣の会見の言葉を思い出した。絶望的な台詞である。 「絆」という言葉は、精神論で状況を打開しようとする人…

「おうち時間」に全然退屈を感じないという話

お題「#おうち時間」 1 元々インドア派なので、この外出自粛の状況でも全く鬱々とした気分にはならず、「おうち時間」をかなり楽しんでいる。 確かに少々は不安なこと、困っていることがないわけでもないが、心の状態はいつになく平穏である。仕事をしてい…

『段落論』を読んでー奥深き「段落」の世界

本屋の新書コーナーで『段落論』(光文社新書)を見つけ、手に取った。書名の元ネタは、坂口安吾の『堕落論』か……。一旦、本書を棚に戻し、他の棚の前もうろついたが、『段落論』というタイトルがどうも頭から離れない。 段落論 日本語の「わかりやすさ」の…

井上ひさし『握手』を読んでー身体が語るもの

1 井上ひさしの短編集『ナイン』の中にある『握手』を読んだ。『握手』は作者の経験を元に作られた小説。読んでなんだか胸がいっぱいになっちゃったなあ。 ナイン (講談社文庫) 作者:井上ひさし 発売日: 2014/01/17 メディア: Kindle版 恥ずかしながら、本…

『13歳からのアート思考』を読んでー「アート思考」で「自分だけの答え」を見つけよう!

1 近頃体調が優れず、自宅の部屋に引き持っていた(ただの風邪でした、多分)。その間、何冊か本を読んだが、その中で最も強く紹介したいのは、今年の2月にダイヤモンド社から出版された『13歳からのアート思考』である。 「自分だけの答え」が見つかる 13…

PCR検査を受けた話

ここ一週間ほど体調を崩していた。朝から昼にかけて比較的体調がいいのだが、夕方になると37度前半の微熱が出て、倦怠感と頭痛、そして咳が止まらなくなる。 4月8日は、前日までと違い、朝から倦怠感があった。体温を測ると、37.0度。数日前から在宅勤務に切…

4月からの学校再開に向け準備をする教員夫婦の話

慌てふためく人類を余所目に見ながら、当然のごとく春はやってきた。 妻は4月から育休中が明けて仕事に復帰する。彼女は中学校の理科の教員である。「授業で使う教材を採集したい」というので、家族で近所の公園にお出かけした。 桜が咲き始めている。 公園…

「普通」は移ろいやすいの話ー『生命式』など読んで

1 4月から妻が仕事に復帰するため、3歳になる長男と1歳の次男が保育園に入園することになり、今週から慣らし保育が始まった。 今週の預ける時間は、1日1時間半だけなのであるが、初日からドキドキしちゃった。初日とあって、妻と自分の2人で子供の送…

中国文化への興味がにわかに高まり、『三国志』の勉強を始めた話

1 NHK出版新書の『幸福な監視国家・中国』を読んだ。本書では、監視国家として急発展中である中国の現状をコンパクトにわかりやすく解説している。 幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書) 作者:懐, 梶谷,康太, 高口 発売日: 2019/08/10 メディア: 新書 政府に…

『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』を読んでー「統合失調症=創造の病」の時代の次に来るもの

先日、槇原敬之氏が覚醒剤所持で逮捕されたが、彼を擁護する意見を少なからず目にした。こういうアーティストとドラッグについて取り沙汰されるときに必ずある擁護の意見の一つは、「クレイジーさが創造的なものを生み出す源になる」といったものである。 そ…

中原中也の詩に泣いた話

1 新型コロナウイルスの影響で、仕事が恐ろしく暇になってしまった。商売上がったりである。 退屈なので、読書がビックリするほど進む。……あ、ブックリするほど進む。『中原中也詩集』を読んだ。詩なのでしっかり声に出して読んだ。 中原中也詩集 (新潮文庫)…

急の休校措置に翻弄される教員の備忘録

過去の記事で何度か言ったことがあるが、僕は中学校の教師の仕事をしている。 ここ数日のようなことは、今後の教員人生でなかなか遭遇することもなさそうなので、備忘録として書き残しておく。 2月27日(木) 僕は今年度、中学2年生の担任をしている。 この…

王はメロスの鏡像であるという話ー『走れメロス』再々読のすすめ

1 中学生と『走れメロス』を学ぶ季節がやってきた。2,3年に一度のペースで、このお仕事がやってくる。 僕はこの時期、自身のやる気を高ぶらせるため、太宰治の小説を手に取るようにしている。今年は、『お伽草子』を読んだ。 お伽草紙・新釈諸国噺 (岩波…

天の橋立に行ってきました……の写真

日本三景の一つ、天の橋立に行ってきました。この記事は、その記録です。写真ばかりの記事になるかと思いますが、このブログは自身の備忘録でもありますので、悪しからず。 2年ぶりに京都駅に来ました。コロナウイルスの影響か、中国人観光客が少ない気がし…

文化系トークラジオLifeのイベントに行った日曜日の話

1 朝は遅めに起きた。 昨夜のお酒が残っていて、少々胃がもたれていた。自分にしてはよく飲み、よくしゃべった夜だった。 妻は僕が起床したことを確認すると、近所のファミレスに勉強に出かけた。中学校の理科の教員である妻は、育児休暇をまもなく終え、4…

『ロボ・サピエンス前史』の話-ホモとロボのあいだ

1 しびれる漫画を読んだ。タイトルからもうしびれる。その名も『ロボ・サピエンス前史』。 ロボ・サピエンス前史(上) (ワイドKC) 作者:島田 虎之介 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/08/23 メディア: コミック ロボ・サピエンス前史(下) (ワイドKC) 作…

『つみきのいえ』の話など

1 短編アニメ映画の『つみきのいえ』を見る機会があった。2008年度劇場公開作品。 つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD] 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2008/10/24 メディア: DVD 第81回アカデミー賞短編アニメ賞や、アヌシー国際アニメーションフェ…

『宮沢賢治童話全集』を聴いている

1 昨年11月から利用している、オーディオブックのプラットフォームである「Audible」にゾッコンである。 gorone89.hatenablog.com オーディオブックなぞすぐに飽きるかと思っていて、お試しに始めたのであるが、まんまとハマってしまった。僕の車通勤生活と…

「大人」の理想像の話

今週のお題「二十歳」 1 正月休みが終わり、仕事が始まった。 辛いっちゃ辛いんだけど、まだ耐えられる負荷であり、とても楽しく仕事ができている。自己有用感っていうのかな……誰かの役にちゃんと立っているという感覚がある。まあ、毎年、年初めはこうなん…

『人生の意味の心理学』の話など

1 早朝、自宅から3キロほどのところにある神社までジョギングした。気持ちいい。今年2回目の参拝。 正月休みは読書漬けであったので身体が鈍っていたが、それが解消されていくのが実感できた。様々なことを詰め込み、ぐちゃぐちゃとなっていた頭も整理さ…

【2020年】明けましておめでとうございます!

今週のお題「2020年の抱負」 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いしますっ! いやはや、今年も良い一年にしたいです。 僕の今年の抱負は何かと申しますと…… ありません!!! もう今年から抱負を決めて、それを宣言するのはやめました。だ…