ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

4月からの学校再開に向け準備をする教員夫婦の話

 

慌てふためく人類を余所目に見ながら、当然のごとく春はやってきた。

 

妻は4月から育休中が明けて仕事に復帰する。彼女は中学校の理科の教員である。「授業で使う教材を採集したい」というので、家族で近所の公園にお出かけした。

 

 

桜が咲き始めている。

 

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公園の池に近づき、身をかがめて水を採取しようとする妻に「落ちないでね」と言ったら、「そこまでアホじゃない」としかめっ面。教材のために、膝を地面につき、ペッドボトルに汚れた水を汲む熱意に感心してしまった。

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家に帰ると、妻は顕微鏡を取り出した。僕が先日のホワイデーにプレゼントした顕微鏡である。

 

 

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彼女は、採取した池の水をプレパラートに垂らし、顕微鏡を覗くという作業を何度か繰り返した後、「いた!」と叫んだ。この顕微鏡、接眼レンズに、スマホのレンズを重ねることで、拡大された物体を撮影できるという優れものである。撮影されたのは下。

 

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ミジンコである。ミジンコも種類が様々あるらしく、中学校の理科の教科書や資料集では、何ミジンコなのかまでは突き止められない。妻は『やさしい日本の淡水プランクトン』を取り出してきた。この本にはかなり詳しく淡水プランクトンのことについて解説されいて、分かりやすい。

 

 

(人間含め)生物にかなり苦手意識がある自分でもかなり楽しめる本であり、中学生のときにはなんとも思わなかったプランクトンが「かわいい」とさえ思えるようになってきた。顕微鏡で見つけたやつもちゃんと載っていた。これは…マルミジンコである……!

 

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「そういえば、『ボルボックス』とかいうモンスターみたいなカッコいい名前のプランクトンいたよね?」と妻に聞くと、「あれはレアで、なかなか捕まえられない」との返事。そうなんだ……レアと聞くと、なんだかすごく欲しくなってきた。また探しに行ってみよう。

 

妻の教材採集に付き合う内に、にわかにプランクトンへの興味が高まってきたのであった。

 

 

 

4月から臨時休校が解除され、僕ら教員夫婦の仕事も慌ただしくなる。

 

3月の休校措置については、色々と文句を言いたい点はあるのだが、休校になって良かった点もある。最大の良かった点は、卒業式が行えたことである。

 

もし休校措置にならず、集団生活が続く中で、生徒あるいは教職員の中から新型コロナウイルスの感染者が1人でも出たとしたら、絶対に卒業式は取りやめになる。そうなれば、卒業生やその保護者は非常に残念な気持ちになるだろうし、感染者は罪悪感に押しつぶされてしまっただろう。

 

勤務校では、無事に卒業式を終えることができた。次第の省略、式参加者全員のマスク着用、在校生の不参加、保護者の数の制限などの感染症対策がなされたが、それでも例年と遜色ない素晴らしい卒業式であったと思う。マスク越しからも、卒業生の晴れやかな表情が伝わってきた。異例の卒業式だっからこそ、卒業生にとってはいつまでも忘れることのない思い出深い式になっただろう。

 

政府は「感染症蔓延の恐れが高いと厚生労働大臣は判断しているものと認識しているが、学校再開の方針を変更する必要はない」と意味不明なことを言っている。学校は「密閉空間」、「人の密集」、「近距離での会話」の回避の工夫をしろという文科省からのお達しも出た。何を言ってるんだ。密集と近距離での会話を避ければ、学校生活は成り立たない。

 

来年度の運動会や修学旅行はどうなるのか、そもそもまたすぐに休校になるのではないか、休校が長引いた場合は履修漏れのまま受験に突入するのかなど、先行きは不安しかない。

 

しかしながら、できることをやっていくしかない。教員が悲壮感を出してはならない。微笑みを忘れず、目の前の生徒のために何ができるかを常に考えながら、地道に動いていきたいと思う。

 

 

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