ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

「ブックカルテ」に選書してもらった話

 

「ブックカルテ」を通じて選んでいただいた本を楽しく読んでいる。

 

「ブックカルテ」は、「読書傾向などを書いた問診票をもとに、書店員さんが一万円以内で本を選び送ってくれるサービス」である。

 

bookkarte.com

 

一万円はちと高いが、とっても面白そうなので、「ブックカルテ」を知ってすぐにホームページにて問診票を書いた。問診票では以下の質問に答えていく。

 

Q1.これまでに読んだ本で印象に残っている本BEST10を教えてください。

 

Q2.本を選ぶ時に、どのような基準で選んでいますか?

 

Q3.1ヶ月で読む本の冊数や読むシチュエーションなど普段の読書習慣について教えてください。

 

Q4.苦手な本のタイプはありますか?

 

Q5.あなた自身のことを、教えてください。

 

Q6.これまでの人生でうれしかった事、苦しかった事はなんですか?

 

Q7.時間とお金に余裕があるとして、はじめてみたいことはなんですか?

 

Q8.今悩んでいること、解決したいことはありますか?

 

Q9.あなたにとって幸せとは何ですか? これだけはしないと心に決めていることはありますか?

 

Q10.届く本に期待する読後感はどんなものですか?

 

……一つひとつ簡単に答えられそうに見えて、答えるのに結構窮してしまう問いであり、時間をかけて答えを考えた。例えば、「Q10.届く本に期待する読後感はどんなものですか?」には、悩んだ末、「読んでよかった、また少し社会や人間を多角的・多面的に見る視野が広がったなと思える読後感を求めています」と答えてみた。

 

ブックカルテに登録された多くの本屋さんの中から、「書原」さんを選び、問診票を登録した。僕の問診票はどのように読まれ、どのような選書がなされるだろうかと想像するのは楽しかった。数日経ち、選書が送られてきた。

 

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届いたのは、『教養の書』(戸田山和久)、『コモンズとしての日本近代文学』(ドミニク・チェン)、『インターネットは言葉をどう変えたか』(グレッチェン・マカロック)、『手の倫理』(伊藤亜紗)、『会って、話すこと。』(田中康延)の5冊。確かに、僕の好みにマッチしそうなタイトルである。

 

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最初に読んだのは、『手の倫理』。

 

 

これは様々なメディアで話題になっていた本なので、タイトルは知っていた。中身は期待通り面白く、一気に読み進めた。

 

コミュニケーションについての鋭い分析は勉強になった。「多様性」についての考え方は特に印象に残った。「みんな違う」という多様性の強調は他者を安易にラベリングしてしまい、却って分断を生み出してしまう。まずは「多様性」は、一人ひとりの中にあるということを意識することが肝要である。

 

こうした考えは、自分や他者を簡単に「キャラづけ」しようとする風潮へ違和感を抱いていた僕にヒットした考えであった。人は統一されたキャラクターではない。多様なキャラ(性格や嗜好、価値観など)が、ひとつの人格の中に共存していると信じたい。多様なキャラの共存は、人間を矛盾した存在として見せるだろうが、その矛盾こそが人間らしさであり、それをそのまま受容しようとする姿勢が、コミュニケーションの契機となる。

 

『手の倫理』によって僕の頼りなかった考えの輪郭ははっきりし、確かに人間や社会を多角的・多面的に見る視野がまた少し広がった気がした。

 

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届いた選書のおかげで、しばらく退屈せずにいられそう。「ブックカルテ」、本が好きな方々に強くお勧めします。