ゴロネ読書退屈日記

ゴロネ。読書ブログを目指している雑記ブログ。2人の息子とじゃれ合うことが趣味。

思いがけぬ9連休と『おどろきの中国』の話

 

妻の出産予定日が1週間後に迫っている。出産直後のサポートに、福井にいる義母が来てくれるというので、3連休は、物置と化してる部屋を片付け、義母が泊まれる場所をつくった。

 

この連休は何の用事も仕事も入れず、掃除、洗濯、食器洗い、買い物などひたすら家事に努めた。1歳10ヶ月の息子・ハルタを近くの公園に連れて行ったりもした。ハルタは最近滑り台にはまっていて、同じ滑り台を35回くらい滑らないと気が済まない。

 

祝日の月曜日の朝方から、鼻水が止まらず、くしゃみが何度も出るようになった。「あー、花粉症だわー、つらい」と僕は思った。

 

その内、頭痛もするようになった。「あー、花粉症だわー、つらい」と僕は思った。

 

その内、寒気を感じるようになり、体がだるくなり、関節が痛み始めた。「あー、花粉症だわー、つらい」と僕は思った。

 

夜は苦しく、全然眠れなかった。火曜の朝、体温を計ると37.6度あった。「こりゃ花粉症じゃなくて、熱だわ!」とこの時初めて気づき、近所の病院に行き、診察を受けた。鼻に棒を突っ込まれた。

 

「インフルエンザA型ですね」とお医者さんは言った。

 

 

 

現在、義母のために整理した部屋に引きこもっている。妊婦の妻と幼いハルタにインフルエンザをうつすわけにはいかない。(3連休中の自身の不用心さのため、もう手遅れかもしれないが。……強い罪悪感)

 

熱は下がったが、菌を保有しているので、会社は今週中は、出勤停止である。ということはつまり、この前の土曜日から数えると、土、日、月、火、水、木、金、土、日……9連休ではないか。今の会社に勤め始めてから、こんなに休むのは初めてのことである。この思いがけずにできた休みを有効活用するにはどうすればよいだろうか?

 

思いつかないので、とりあえず新聞を隅々まで読むことにした。

 

 

 

大学生のときには毎朝新聞に目を通していたけど、今は忙しさを理由にほとんど読まなくなった。ニュースに触れるのはネットとラジオばかり。

 

コンビニで「毎日新聞」を購入した。経済面を開くと、中国関連の記事ばかりである。

 

ここ20年くらいの中国の経済的躍進は凄まじい。アメリカと肩を並べる覇権国家になったと言っても過言ではないだろう。米中は現在貿易戦争の真っ只中であるが、もはや互いは最大のライバルでありながら最大のパートナーであり、世界を牽引する運命共同体である。日本は蚊帳の外。アメリカへの愛は片思いに過ぎない。

 

3連休に講談社現代新書の『おどろきの中国』を読んだ。

 

おどろきの中国 (講談社現代新書)

おどろきの中国 (講談社現代新書)

 

 

社会学者のビッグネームである、橋爪大三郎大澤真幸宮台真司が中国という国について熱く語っている。これがめちゃくちゃ面白い。中国人の物の見方、考え方、中国社会のあり方が様々な方面から分かりやすく語られていて、それと同時に、日本の国際政治の問題点が浮き彫りになっていくのである。

 

正直僕は中国に少々偏見を抱いてたが、これを読んで、中国をリスペクトしたい気持ちが芽生えた。問題点は多くあるものの、その徹底して個人主義的で合理主義的でプラグマティックなところは日本人が参考にすべきところだと思う。そもそも僕たちの文化は中国の影響を受けながら成り立ったのだ。

 

3人の社会学者が日本が今後国際社会の中でとるべ針路について語っているところは非常に勉強になった。彼らは日本は米中の「媒介者」であるべきと語る。

 

大澤    たしかにそうですね。いまのところは、米中が基本的には対立しているというこてから、漁夫の利を得ているというのが日本のポジションだと思うんですよ。でも、それはやっぱりあまりにも情けない。AくんとBくんが喧嘩しているかぎりで、おれは大事にされているだけ。AとBが仲良くなったら、お前なんていらないと言われてしまう。

宮台    それは漁夫の利というより、死刑執行の猶予期間みたいなものだよね。

大澤     そう。だから、非常に情けないし、実際、長いトレンドで見たら、AくんとBくんは仲良くしようという強い志向性をもっているときに、仲良くなったらお前はいらないと言われるようではまずい。

    そうすると一つの生きる道は、AくんがBくんと仲良くするに当たっては、Cくんともとっても仲良くなってしまうんだ、あるいはCくんと仲良くなれば、Bくんと余計仲良くできるんだという状況をつくることですよね。

    ほんとうは、中国を理解するということに関しては、日本人のほうが、アメリカ人よりはるかにアドバンテージがあるはずなんです。だって、日本の文化は中国に影響されながら今日まできたわけだし、文字だって、かなり共有しているわけだし。一般人のレベルで言っても、アメリカ人が中国の歴史について知っている量と、日本人の高校生ぐらいが知っていることを比べれば、日本人のほうが上でしょう。

    日本はそういう意味で有利な立場にあるわけですから、中国との関係において、アメリカがまず仲良くしなければいけないのは日本なんだという構造をつくることが、いま重要だと思いますね。

橋爪   そうなんですよ。

    でね、さっき、香港と台湾が中国のインターフェイスになったと言ったけど、香港と台湾はやっぱり中国寄りなんです。だから日本が、中国のインターフェイスになればいい。

 

日本の国際社会でのポジションの確保は、偏見を持たず、中国のことをちゃんと理解するという姿勢にかかっているのである。

 

 

 

さて、部屋に引きこもりながらできる時間の有効活用の方法を誰か教えてください。やっぱり読書で終わっちゃうのかなあ。