2018年に読んだ心に残る30冊の本
2018年も隙間時間を見つけて、読書ライフを楽しめたかなと思います(相変わらず遅読だけど)。今年お世話になった本の中から、30冊を紹介します。
☆
『悪霊』(ドストエフスキー)
登場人物がそれぞれ魅力的。様々な登場人物の中で僕が最も魅力的に感じたのが、ピョートル・ステパノヴィチ・ヴェルホーヴェンスキーである。彼は、この物語の(おそらく)主人公であるスタヴローギンという人物を語る、狂言回しの役も担っている。
このピョートルは面白いほどよくしゃべる! ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ。彼のこの雪崩のような言葉が、様々な出来事を大げさにし、事件へと発展させているのではないかと思えるほどだ。実際に彼の存在が、他の登場人物たちに不幸をもたらし、小説にドラマ性を与えているのである。読んでるこちらも彼に影響され、感情の起伏が激しくなります。
『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』(芥川竜之介)
芥川龍之介の短編集。特に僕が好きなのは『芋粥』。この短編の面白さは、なぜ主人公の五位は、夢であった大量の芋粥を目前にして、食欲を失ってしまったのかを考えることである。
夢はそれを追う過程に意味があるのであり、自分にとって本当に大事な夢であれば、その夢への障害が大きければ大きいほど、その夢に夢中になる。その夢が何の苦労もなく、思いがけず叶ってしまったとしたら……。五位は「芋粥に飽かむ」という夢があったからこそ、それが心の支えとなって、惨めな生活にも耐えられたのである。夢であった大量の芋粥を目前にした彼をはたから見た他者は「幸福」であるように思うだろうが、この瞬間、彼は大切にしてきた夢を突然、ほとんど暴力的に奪われ、「不幸な」人間へと転落してしまったのである。
『蓼食う虫』(谷崎潤一郎)
「小田原事件」をベースに書いた小説と言われている。夫婦になった途端、男は妻に欲情しなくなってしまう。二人は不和になり、お互い愛人を持つ。夫婦とはいったい何のか。谷崎潤一郎によるこういう男女の心の機微の描写は本当に天才的です。
『宮本武蔵』(吉川英治)
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/01/28
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やっと今年全巻読み終えた。VS吉岡一門が燃える。佐々木小次郎との巌流島での戦いは、引っ張った割にはあっけない決着な気がする。『バガボンド』は、この巌流島の戦いをどのように料理してくれるのか楽しみです。
『菜の花の沖』(司馬遼太郎)
江戸時代に活躍した商人・高田屋嘉兵衛の生涯。僕は高田屋嘉兵衛から「不器用」な男という印象を受けた。この器用さというのは、世間を渡っていく上での器用さだ。嘉兵衛は自分の目的に突き進んでいくが、あまり“工夫”というものが見られない。彼が人を惹きつけるときは、その肉体の動きによって惹きつける。彼の船頭としての技術、能力に魅せられ、人々は集まってくるである。
嘉兵衛は現実主義であり、私利私欲のためには動かないところである。自由な商いを目指す彼にとって、この時代の封建社会は息苦しかったであろう。何をするにも、階級というものを意識しなければならない。個人の能力だけでは変えることのできないことが、あまりに多すぎる。だからこそ嘉兵衛は、日本人がまだ把握していなく、階級のしがらみが少ない、蝦夷地という未開の地に魅力を感じたのかもしれない。誰も航海したことのない海、誰も足を踏み入れたことのない土地に行くというのは、相当な強心臓の持ち主でなければなせることではないだろう。嘉兵衛の果てしない冒険心には強い憧れを抱いてしまう。
『ヘッセ詩集』(ヘルマン・ヘッセ)
『車輪の下』、『少年の日の思い出』のヘルマン・ヘッセの詩集。彼の豊かな感受性に触れることで、もっと心を広げて周囲のものをじっくり見つめてみようという気持ちになる。『青い蝶』という詩が自分のお気に入り。
『蠅の王』(ウィリアム・ゴールディング)
- 作者: ウィリアム・ゴールディング,William Golding,平井正穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1975/03/30
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「未来における大戦のさなか、イギリスから疎開する少年たちの乗っていた飛行機が攻撃をうけ、南太平洋の孤島に不時着した。大人のいない世界で、彼らは隊長を選び、平和な秩序だった生活を送るが、しだいに、心に巣食う獣性にめざめ、激しい内部対立から殺伐で陰惨な闘争へとの駆りたてられてゆく……。」というあらすじの非常に恐ろしい小説。闘争が極限へと達するクライマックスは手に汗握った。
大人のいない孤島に生きる少年たちは、正体不明の獣に怯え、不安から衝突する。ただひとり、「獣というのは、ぼくたちのことにすぎないかもしれない」と気づいたサイモンという少年は、人間の内なる暗黒の象徴である蠅の王と対決する。自身の獣性に目をそらさず、向き合うことで、初めて人は人間性を獲得できるんじゃないかなと思ったりしました。
『エロチック街道』(筒井康隆)
筒井康隆の短編集。お気に入りは『昔はよかったなあ』。
頭が変になるので、一気読みは注意。
『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ)
チェコ出身の作家、ミラン・クンデラの代表作。強く印象に残ったのは、サビナとテレザの女性2人が互いの裸をカメラで取り合うシーン。喜劇的でありながら耽美的で、息を飲んだ。
帯には「20世紀恋愛小説の最高傑作」とある。どうしてもすれ違ってしまう男女の愛の向け方の難しさについて考えさせられます。
『大日本サムライガール』(至道流星)
拡声器を片手に街頭で叫ぶ謎の演説美少女・神楽日鞠(かぐらひまり)。彼女の 最終目的は日本政治の頂点に独裁者として君臨し、この国を根底から変えることである。その目的達成の手段として、さまざまな人々の協力を得ながら、美貌を武器にアイドルとして活動していく。
キワモノかと思いきや、キャラが立ち、物語の構成も緻密な本格的なエンターテイメント作品に仕上がっている。右翼とアイドルという意外な組み合わせが、読者を魅了する面白さを十二分に発揮している。
ヒロインである神楽日鞠がすごく魅力的で、彼女のアイドルとしてずれた言動にクスクスと笑ったり、(僕は右思考ではないけど)彼女の国のことを心の底から思う真摯な姿勢に感動させられたりしたのでした。
『グローバライズ』(木下古栗)
- 作者: 木下古栗
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/03/26
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読者によって好き嫌いが真っ二つに割れるであろう木下ワールド。僕は時に木下ワールドが恋しくなったり、憎たらしくなったりする。読むと、体調によって、極上な時間を過ごした気分になるときと、時間をかなり無駄にした気分になるときがある。
短編集である本書の中には、同じ意味不明な下ネタで終わる2つの短編などがあります。
『BUTTER』(柚木麻子)
この小説内での殺人事件の容疑者・梶井真奈子は、2007年から2009年にかけて発生した首都圏連続不審死事件の犯人である木嶋佳苗をモデルにしている。自分の欲望に忠実な梶井が、序盤でバター醤油ご飯について語る場面があるのだが、僕はこの描写によって、この小説に一気に引き込まれた。とにかくお腹が空く小説である。
物語のテーマは、この社会での女性の生きづらさと、どうすれば女性が不自由さから解放され、真の自由さを得られるのかということではないか。「女性は○○であるべき」という男性側のものさしで女性の価値を決めるこの男性社会と、そのものさしを過剰に意識して不自由に生きる女性を批判しているように思えた。男性の自分としては、この小説を読んで強烈に反省の気持ちが沸き起こったのでした。
『平成くん、さようなら』(古市憲寿)
今売れっ子の社会学者、古市憲寿の書いた初の小説である。本当は作者と作品は切り離して読みたいのだけれど、個性の強い作者と、中心人物のである平成くんの人間性が重なって、作者の顔が頭の中にちらついた(彼のメディア露出が多いため、しょうがないのであるが)。それが原因で、読んでいて、作者のほのかなナルシシズムを勝手に感じずにはいられなかった。
ただ、その点を除けば、平成末期にふさわしい(?)、心打たれる切ないラブストーリーである。無機質なざらつきがありながらも、その奥に温かみがあり、身近な愛しい人に自然と優しくなれるような気持ちになる深みのある小説だった。平成の風俗、情景を果敢に描写しているのも面白いです。
『ソクラテスの弁明』(プラトン、岸見一郎)
ソクラテスの「無知の知」の思想に強く惹かれた。「知らないことは知らない」と自覚できる者こそが本当の知者なのである。自分自身が「知らないことは知らない」と簡単に認められないようになったのは、一体いつからであろうか。仕事や勉強によって、ある特定の分野に詳しくなっただけで、変な自信を持ってしまい、他人に無知と思われるのが嫌で、全く知らないことに対してまるで知っているかのような素振りを見せてしまうことは少なくない。
しかしながら、ソクラテスの思想からわかるように、自分の無知を認めることから出発し、他者や自身との問答を繰り返してでしか、本当の知は形成し得ないのである。
『風姿花伝』(世阿弥)
『風姿花伝』は、世阿弥が父である観阿弥から受け継いだ能の奥義を、子孫に伝えるために書いたものである。この書の中で世阿弥は、若い頃の初心、人生の時々の初心、老後の初心を忘れてはならないと言っている。
若い頃の初心とは、具体的には24〜25歳のころである。この時期こそ、改めて自分の未熟さに気づき、周りの先輩や師匠に質問したりして自分を磨き上げていかなければ、「まことの花」にならないと世阿弥は言っている。世阿弥が言うように「初心」を忘れることなく、自身を日々更新する努力をする生き方をしたい。
「構造と力ー記号論を超えて」 (浅田彰)
「構造主義」の入門書を何冊か読んでいたので2割くらい理解できた(8割よく分からない)。浅田の論の面白さは、近代資本制の「差異=運動」がもたらす、「過剰」という名のエネルギーを大きく肯定していることであると思う。あらゆる方向へ運動することを要請する彼の詩的な文章に心は動かされ、勇気づけられた。スピーディにスマートに動き続けることが構造主義(クラインの壺)から脱し、ポスト構造主義の生き方に続くと浅田は信じているのである(多分)。
『社会学』 (長谷川公一、浜日出夫、藤村正之、町村敬志)
社会学 (New Liberal Arts Selection)
- 作者: 長谷川公一,浜日出夫,藤村正之,町村敬志
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2007/11/21
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にわかに「社会学」 を勉強したい気持ちになり、入門書として良さそうな本書を買った。丁寧な解説でとても分かりやすい。各テーマごとに、参考文献が紹介されていて、読書の幅が広がります。分厚いので、読みきるのにかなり時間がかかりました。
『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)
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暇と退屈の倫理学
作者: 國分功一郎 - 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2011/10/18
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昨年読んだ『中動態の世界 意志と責任の考古学』にドはまりし、同じ著者が書いた本書にも手を伸ばした。「何かをしなくてはならない」という強迫観念に駆られる、あの暇と退屈の正体がよく分かります。
『社会を変えるには』(小熊英二)
- 作者: 小熊英二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/08/17
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『人口知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(井上智洋)
今後AIを搭載した機械が人々の雇用を順調に奪っていくと、今から30年後の2045年には、全人口の1割ほどしか労働しない社会になっているかもしれないそうだ。僕みたいな役立たずは真っ先にAIに仕事を奪われるであろう。
9割の人が職を失ってしまうそんな時代を救う現実的な制度として、筆者がおすすめしているのが、「ベーシックインカム(収入の水準に拠らずに全ての人に無条件に、最低限の生活費を一律に給付する制度)」である。労働意欲のない僕は、「ベーシックインカム」が導入される時代を今か今かと待ち望んでいます。
『勉強の哲学 来たるべきバカのために』(千葉雅也)
- 作者: 千葉雅也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/04/11
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この本には、「勉強とは、これまでの自分の自己破壊である。」と書いてある。勉強とは、「新たな環境のノリに入る」ことらしい。「アイロニー」と「ユーモア」という言葉を使い、勉強へ取り組む姿勢のあり方が分かりやすく説明されていて、夢中で読み進めた。
勉強の具体的な実践の方策として、勉強用のノートづくりを維持することが推奨されている。「勉強用のノートとは、生活の別のタイムラインそのものであり、自分の新たな可能性を考えるための特別な場所なのだ」と著者。
『世界からバナナがなくなるまえに:食料危機に立ち向かう科学者たち』(ロブ・ダン)
世界からバナナがなくなるまえに: 食糧危機に立ち向かう科学者たち
- 作者: ロブ・ダン,高橋洋
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2017/07/25
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この本には、病原体による現代の食糧危機と、それに立ち向かう科学者たちの戦いが熱を持って書かれている。タイトルにあるバナナだけでなく、私たちが頼る数少ない作物は、すべて危機にさらされている。……僕が大好きなチョコレートの原料である、カカオも例外ではない。この食料危機の危険性を一気に高めたのが、大規模なアグリビジネス(農業関連産業)の台頭である。
アグリビジネスは、生産の極端な効率化を図るために、広域な農場に単一栽培(モノカルチャー)を行っている。短期的な効率化には最上の手段ではあるが、広大な農場に遺伝子的に同一の作物しかないというのは長期的に見て非常に危険である。遺伝子的に同一ということは、同じ害虫や病原体に弱いということである。一つの作物が弱点である害虫や病原体に攻撃されると、その農園の作物が全滅する道にそのままつながるのである。
故意でなくとも、自然に害虫や病原体が農場に拡散する可能性は常にある。本書ではそういった食糧危機に対する科学者の地道な戦いと、私たちに何ができるかということが書かれていて、最初から最後まで知的好奇心を大いに刺激されました。
『パパは脳科学者 子どもを育てる脳科学』(池谷裕二)
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: クレヨンハウス
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この本では、脳科学者である著者が、娘さんの4歳までの成長を、脳の機能の原理から分析して、成長の一か月ごとに章立てして記録している。自分の息子(現在1歳2ヶ月)の成長と合わせて読み進めていて、とても勉強になります。この娘さんと比べると、自分の息子の成長はかなり遅れており、不安になる笑
『1990年代論』(大澤聡 編)
様々な論者が多角的に90年代を論じている。「社会問題編」では、現在の様々な社会問題が90年代に端を発していることが分かる。「文化状況編」では、様々な90年代のコンテンツが軽妙に論じられていてワクワクした。90年代は幼年期であった自分。もう10年早く生まれて、全身でこれらのコンテンツの受容を楽しみたかった。
『不安な個人、立ちすくむ国家』(経産省若手プロジェクト)
昨年5月に経産省の若手プロジェクトが発表したレポートを書籍化したものである。このレポートでは、変化する社会状況や、その中で増幅される個人の不安を指摘と、変わりつつある価値観に基づいた新しい政策の方向性の提示がまとめられている。日本社会のひずみが浮き彫りにされていて、日本の未来について悲観的にならざるを得ない。
書籍版には、経産省若手プロジェクトと養老孟司の対談が収録されている。養老孟司が、高齢者が「死にたくない!」とわめく様子を見て、若者に向けて「早く大人になってしまい、やりたいことを後回し後回しにしていくと、人生を生きそびれてしまいますよ」と言っているのが印象的。
『新・日本の階級社会』(橋本健二)
- 作者: 橋本健二
- 出版社/メーカー: 講談社
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現代の日本社会が「階級社会」に変貌してしまった現実を、様々な社会調査データを基にして暴いていくといった内容である。階級格差は加速しており、特に非正規労働者から成る階級以下の階級(アンダークラス)の貧困が甚だしい。しかも、階級は世襲として固定化しやすく、親の階級以上の階級に転じることは難しくなっている(逆に「階級転落」の可能性は高い)。
この本では、格差拡大が社会全体にもたらす弊害が具体的に述べられて、読後、現代社会に対する危機感をちょっぴり持ったのでした。
『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(宇野常寛)
この本は、評論家の宇野常寛による、マンガやアニメやゲームといった「オタク的なもの」を取り上げたサブカルチャー論の大学での講義録をまとめたものである。ここ40年ほどのオタク思想を広く(浅く)学べます。
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』(ユヴァル・ノア・ハラリ)
『サピエンス全史』の続編。人間至上主義に取って代わる、データ至上主義について語られる下巻の最後の章に、僕は最も強い知的興奮を感じた。現在、人間至上主義からデータ至上主義への移行は確実に進んでいる。データ教の信者は、テクノロジーの発展で実現する「すべてのモノのインターネット」と一体化したがり、「データフローと切り離されたら人生の意味そのものを失う恐れがある」と考えている。
実はこんな風にブログを書く行為も、ハラリの歴史観に立てば、自分がデータ至上主義者であることの証明なのである。
『試験に出る哲学ー「センター試験」で西洋思想に入門する』(斎藤哲也)
試験に出る哲学―「センター試験」で西洋思想に入門する (NHK出版新書 563)
- 作者: 斎藤哲也
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/09/11
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まず、倫理のセンター試験の問題ってこんな面白い(変な?)問題が出ているんだという驚きがあった。本書ではその問題にからめて西洋哲学のポイントがとてもわかりやすく紹介されている。用語を解説したイラストも可愛らしくてとてもいい。西洋哲学についてさらに学びを深めたいときには、巻末のブックガイドを参考にできるので、とてもありがたいです。
『アメリカ』(橋爪大三郎、大澤真幸)
- 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/11/21
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社会学者の橋爪大三郎と大澤真幸がアメリカという国をわかりやすく語ってくれる。同じ二人の対談本である、講談社新書の『ふしぎなキリスト教』、『げんきな日本論』が大好きなので、本書も迷わず購入した。
トランプ大統領になぜ根強い支持層があるのか疑問な点だったが、トランプとキリスト教の福音派の関係を知ってすっきり。アメリカでのプラグマティズムの影響の話など、『試験に出る哲学』で予習していたこともあってすとんと腑に落ちた。
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年末年始もコタツに入ってぬくぬくと本を読みたいです。