『獄中からの手紙』と所有欲にまみれた自分の話
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コロナ禍でなければ、お盆休みは妻の実家がある福井に行き、夏を満喫する予定であったが、今年も行けず。自宅でぐだぐだしていた。
僕は家でぐだぐだするのも大好きなのでステイホーム万歳なのであるが、4歳と2歳の息子はやっぱり退屈してしまう。ということで、近くのショッピングモールに連れて行ってやった。この頃家族でガシャポンにハマっていて、モール内にある「ガシャポンのデパート」を楽しんだ。何百台も設置されているガシャポンを見て、妻も息子らも狂喜していた。
ついでにオモチャ屋にも行って、息子らに電車のオモチャを買ってやった。あと、「子供たち、これも欲しがってるようだぞ」と妻に言って、『機界戦隊ゼンカイジャー』の変身アイテムを買った。「君が欲しいだけでしょ」と妻。
自宅に帰ると、息子らは仲良くオモチャの電車で遊び、妻はガシャポンの気持ち悪い生き物のフィギュアを眺め、僕はゼンカイジャーの変身アイテム片手に鏡の前で変身ポーズの練習をした。
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変身の練習に飽きると、ごろ寝をして読書をした。この頃、インド独立の父、マハトマ・ガンディーについて勉強していて、彼の書いた『獄中からの手紙』を読んでいる。
ガンディーは、幸福に生きるために欲望を小さくすることを勧める。例えば、所有欲。自分が本当に必要とする物以外の物を所有することは盗人と同じであると彼は言っている。また、泥棒に物を盗まれるのは、泥棒が悪いのではなく、泥棒が泥棒をしたくなるほど物を所有している方が悪いのだといったようなことも言っている。
ガンディー、パねえ。カッコ良すぎる。僕はすぐに彼のフィギュアをネットで探して、ポチろうとした。
……いやいや、このすぐ消費しようとする姿勢がダメなんだ! 僕は家の中を見渡した。休みになるとくだらない物のために消費して、家が必要のない物で溢れかえっている。所有欲にまみれてるやないかい。
ガンディーの理想には遠く及ばないかもしれないが、消費を抑えて、少しずつ断捨離していこう。まずは近頃読んでない漫画、聴いていないCDなどから捨てよう……とすると、妻が「私がメルカリで売る」と言った。抜け目ない。
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ガンディー関連の本では、『人間ガンディー』がおすすめ。写真が多めで、読みやすい。
83年にアカデミー作品賞を獲った『ガンジー』も久しぶりに観た。これも絶品です。